2024年6月29日10時から元ちゃんのパン小麦試験圃場(いつもの元ちゃんの麦畑)で、元ちゃんのパン小麦試験栽培の説明会が開催された。
説明会には熱心な村人が集まった。
まずは元ちゃんから試験内容の説明があった。
以下が概要を書いた資料。ここはススキなどが生い茂る休耕田で、元ちゃんはそんな土地の開拓を去8月から始めて今日に至ったわけだ。実はもう一か所、和村に小麦試験圃場がある。こっちは慣行農法(農薬と化学肥料を使う)で、同じように草ボーボーの休耕田5枚が小麦畑に変身して478.7kgの小麦が収穫できた。
試験場は大小合わせて9区画で構成されている。まずは、大区画として3区画あり、それぞれ「ゆめちから」、「ゆめかおり」、「アリーナ」の種が撒かれた。それぞれの大区画が、畝立の有無、畝立有で鶏糞量を変える、で3つの小区画に分かれていて、合計9区画となっている。更にそれぞれの小区画が追肥の有無で分けられている。なので、事実上は18区画となるわけだ。詳細は元ちゃんが用意した以下のマップが分かりやすい。
元ちゃんの案内で圃場の見学。見事に小麦が実っている。
小麦の種類の違う大区画はその違いがはっきり分かる。写真は「ゆめちから」「ゆめかおり」「アリーナ」の順。やっぱり、実った麦の穂は美しいね。
スイス原産のアリーナは背丈がとても高い。北海道種の「ゆめちから」はとても低い。この差が肥料の与え方などの栽培方法や刈り取りなどの収穫方法に大きな違いを与えるということでとても興味深い説明だった。
大区画内の小区画の違いは見た目で確認するのはちょっと難しいというか、少なくとも自分には分からない。つまり、案外何も考えなくても同じように麦は育つって事かなぁ。だとすると、栽培がすごく楽な農作物ではないかい?
元ちゃん曰く、今回の試験栽培では小区画の違いを収量で判断するとのことだった。そうなんだぁ、って思って聞いていたけれど、よく考えれば小区画ごとに小麦を混ぜないように刈り取りを分けて行って乾燥も脱穀も混ぜないように分けて作業しないといけないわけだ。これは可也大変じゃない??って本質から外れたところで一人びっくり(*o*)した次第。
楽な事ばかりじゃない。赤カビという大敵がいるそうだ。赤カビは人間に健康被害を与える毒素を生成するそうで、収穫する小麦に混ざらないようにしないといけないそうだ。
元ちゃんは有機栽培で使う事ができる赤カビ殺菌剤としてイオウフルアブルを使ったそうだ。名前の通り、この殺菌剤、有効成分は硫黄。元ちゃんにこの圃場で確認された赤カビと思われるサンプルをみせてもらったけれど、穂についている麦がピンク色になっていた。正にこの色が赤カビの名前の由来なんだね。簡単に栽培できても赤カビ攻撃を食らったら小麦が食らえないのは切ない。
とは言うものの、手間が掛からない小麦栽培はみんなの興味の的。いろんな質問や情報が飛び交った。実際、随分と荒廃した休耕田がこの様な麦畑に一年で変身するわけで、それは可也のインパクトがある。
小麦栽培をそれなりの規模で軌道に乗せるには、製粉機の確保やそれ以降の流通など全体の仕組み作りが必要となる。しかし、その仕組みもまとまった収量が確保できていることが前提となったりして、鶏と卵の関係となってしまう。まずはパイロット栽培で小麦粉にするところまでたどり着ければ、パンなりピザなり具体的な成果(美味しい体験が一番だね)をより多くの人々にアピールできる可能性がある。すると多くの村人(特に遊休農地で悩んでいる人)が栽培にチャレンジして一気にサイクルが回り始めるかもしれない。大桑村ブランドの小麦で作った大桑ブレッドが店に並ぶ日も近い!?そんな事をを感じた元ちゃんの小麦試験圃場での一日だった。
コメント