大桑村郷土民俗資料館に展示されている養蚕で使った道具をまとめてみた。
養蚕は蚕の幼虫を飼ってまゆ(繭)を作らせ、そのまゆから蚕が吐いた糸を取り出すことが基本になる。養蚕は蚕の飼育が要と言ってもいいかもしれない。
蚕の幼虫は竹を編んだ長方形の竹かご(蚕かご)の上で育てた。この竹かごの上に桑の葉を敷き、蚕の餌として与えた。新しい桑の葉を与える時は、まず、やとい(條蔟)を敷き、その上に新しい桑の葉を置いた。そうすると蚕の幼虫はやといの網目を通り抜けて新しい桑の葉を食べ始める。蚕の幼虫には網をくぐって上に登る性質があるそうだ。蚕の幼虫が登り切ったら、やといごと新しい蚕かごに移す。こうすることで今まで使っていた蚕かごの掃除ができる。
蚕の幼虫がまゆを作る気配をみせたら(どういう気配なのだろう?)蚕かごの上にまぶし(蔟)を用意して蚕の幼虫にまゆを作らせる。
これら一連の手順を行うために、蚕やとい棚に蚕かごをセットして、作業を行った。養蚕を行っていた古民家ではこの棚を並べて作業するための大きなスペースが必要だった。その為、蚕を飼う時には家の戸を外して大きな空間を作り、そこに棚を並べたそうだ。2階が単一の広い空間になっているのもこの為ということだ。




蚕を飼育するための道具の数々。
蚕かごが乗っているが桑くれ台で、折り畳み式の台。この台の上に蚕かごを載せて蚕に与える桑の葉を載せた。桑くれ台の下にあるのが火鉢で、気温が低い時の保温用。その右にあるのがまぶし(蔟)を編む機械で、上まぶし(蔟)機構。やといの上の蚕を拾い上げる時に蚕盆や蚕網が並ぶ。




桑の葉に関する道具。桑を蚕に与える時に使う桑くれザル、桑の葉を収穫するときに使う桑きり包丁と桑摘み爪。



蚕の卵に関する道具。蚕は卵で販売され、養蚕農家はそれを業者から購入していたそうだ。卵は紙に産み付けられ、その紙が販売されていた。卵を紙から取り外すことを掻き立てと呼んだそうだ。掻き立ては鷹の羽で行ったらしい。


蚕の糸に関する道具。具体的にどのように使っていたかは、追加調査が必要。










養蚕最盛期には、村の中にはまゆを生産する為の道具が溢れていたと思われる。


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