3月17日、LaMoraひろしさん企画の「山山山 やまのてにをは ~山についてのおはなし会~」が大桑村役場多目的ホールで開催された。山好き(特に里山)の私にとってこれは聞かねばならぬというわけで参加させていただいた。
講師は以下のお二方:
名古屋大学大学院環境学研究科教授 高野雅夫さん
山伏 成瀬正憲さん
高野さんは耕作放棄地の回復や空き家を再生しながら、紺屋ラボ・ワークショップを通じて多くの人々に里山の魅力を伝えている。
成瀬さんは山伏修行という特殊な活動を通して得た「破壊と再生」という世界観を、山形県の自然の中で地域住民の知恵を借りながら里山の恵みを経済に結びつける活動(日知舎)をしている。
いずれも豊かで魅力的な里山がベースとなっている活動と理解した。
村人からもいろいろな意見発表があった。特に山を持っている人、山林業務に携わっている人などからは熊や鹿による山林被害について多く語られた。財産であり資源である山の木々を荒らされのは実に切ないものだと思う。
こういった話を聞きながら自分が思うには、一番の問題というか懸念なのは人が山に入らなくなった(山が縁遠くなった)ことではないかなって思っている。1947年当時の航空写真が国土地理院にて公開されている。たとえば和村地区の様子を見ると山のかなり奥まで草刈り場になっていて木は少ない。沢の奥の方まで耕地になっていて、山の中には沢山の道が通っている。毎日多くの村人が山に入っていたことが伺える。自分的には理想の里山だ。
しかし今は、自分の山を管理している人や、林業に携わっている人、山中の送電線管理をしている人など、本当に限られた人しか山に入らないし、それらは山道全体の一部にすぎない。
人々が通らない山道は荒廃し消えていく。そして、誰も里山に入れなくなる。先日も殿地区にある「ほけ山」を歩いてみた。一部は山道が消えていた。
下の写真はまだ残っている山道:
下の写真は消えかけている山道:
下の写真は消えてしまった山道:
ちょっとした裏山でも誰も歩かないとこうなってしまう。こんな状況になると、里山再生どころではなく里山開拓だ。
みんなもっと里山に入ろう。山道を散策しよう。そして里山トレイルを確保しよう。山の中に居るといろいろなアイデアが出てくると思う。ひろしさん、いろいろと考えるきっかけを作ってくれてありがとう。
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気になる数字の備忘録
ヘリコプターによる木材搬出コスト:14,000円/本
薪軽トラ一杯分:16,000円から17,000円