越百山避難小屋を調査してきた。民間運営の山小屋「越百小屋」が管理をしていることもあり、とても清潔に維持されていた。
越百山避難小屋
越百山の麓に越百小屋がある。黒い壁と赤い屋根、赤いドアの建物が越百小屋で民間で運営され、6月から10月の間に営業している。その左隣にあるのが越百山避難小屋で大桑村の施設だ。更にその左にあるトイレも同様に大桑村の施設となっている。

越百山避難小屋は年間を通して無料で使用できる。越百小屋が営業している間は、この避難小屋とトイレは越百小屋が大桑村に代わって管理している。

避難小屋のドアを開けるとこんあ感じの部屋になっている。濡れた衣服を乾かすために物干し竿が沢山設置されている。降雨時や冬季などは食事などはここで用意することになる。管理が行き届いている。

奥にはロフト付きの部屋があり、上下2段それぞれ2人は寝ることが出来そうだ。ここも清潔に保たれている。

越百山避難小屋バイオトイレ
避難小屋の隣にはバイオトイレが設置されている。このトイレは冬季は使えない。理由は気温低下による凍結でバイオトイレシステム自体が機能しなくなるためだ。その為、冬季はドア部分に板を張り付けて中に入れないようにしているそうだ。

トイレの中は土足厳禁で、とても清潔になっている。年に2,3度ほどは便器に汚れが残る事があって掃除が必要になるらしいが、とてもきれいに使われているとの事だった。

このトイレはバイオトイレといって、自己完結型のトイレになっており、汲み取りや外部からの水供給は基本的に必要としない仕組みだ。外部の水を使うのは掃除の時くらいらしい。冬季は凍結により水循環が機能しないことに加え、バイオ処理能力もかなり低下すると思われる。

汚物の流れで仕組みをまとめると以下だ。
便器 -> 便槽兼腐敗槽(嫌気性バクテリアにより汚物を液状化)
-> 沈殿分離槽(接触材により酸化・沈殿分離)
-> 土壌処理槽(好気性バクテリアにより汚水を分解・気化し、浄化水は再利用)
-> 浄化水は便器の洗浄水として再利用
このバイオトイレの仕組みについては、山のトイレを考える会、山岳トイレの土壌処理技術について – 2011年、岡城 孝雄((財)日本環境整備教育センター 企画情報グループリーダー)の資料が参考になる。なおバイオトレイ設置パネルの便槽県腐敗槽が資料では便槽兼消化槽に、沈殿分離槽が接触消化槽になっている。

この仕組みも万能ではなく、一般の合併浄化槽が定期的に掃除が必要なように、これも定期的に清掃が必要だと思う。特に触媒消化槽は触媒の汚れを取る必要がある(浄化槽でいう逆洗作業)と思う。
この資料にある土壌処理槽はトイレから避難小屋の横方向に広がっている。

この土壌処理槽を保護するために、表層には丸が敷かれていて、その上を人が歩いても土壌処理槽に影響が及ばないようになっているそうだ。更にその周囲にはロープが張られている。確かに、土壌処理槽の上を人があるいて踏み固められてしまうと土中に汚水が浸透しなくなるので水循環が滞る事が予想される。

このバイオトイレは自己完結型の循環式なので、定期的なメンテナンスをするだけでよい。当然清掃やトイレットペーパーの処理で人の介在は必要となる。
大桑村越百山避難小屋設置条例
越百山避難小屋は昭和50年に大桑村の条例に基づいて設置されている。条例制定からすでに50年が経過している。
○越百山避難小屋設置条例
昭和50年9月29日条例第4号
越百山避難小屋設置条例
(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2の規定に基づき、越百山避難小屋(以下「避難小屋」という。)の設置及びその管理等に関し必要な事項を定めるものとする。
(設置)
第2条 登山者の緊急避難及び救助隊等の救助の拠点とするため、避難小屋を設置する。
(名称及び位置)
第3条 避難小屋の名称及び位置は、次のとおりとする。
| 名称 | 位置 |
| 越百山避難小屋 | 大桑村大字須原字糸瀬95番地 |
(管理及び運営)
第4条 避難小屋の管理は、村長が行なう。ただし、必要に応じて委託することができる。
(使用料の額)
第5条 使用料の額は、原則として無料とする。
(遵守事項)
第6条 避難小屋の使用者は、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
(1) 施設、設備及び備品をき損しないこと。万一き損し、又は損害を与えた場合は、速やかに村長に報告し、村長の指示によつてこれを弁償し、又は現状に復さなければならない。
(2) 火災に十分注意すること。
(3) 清潔及び整とんに留意すること。
(4) 使用者名簿に所定の事項を必ず記入すること。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成12年3月30日条例第3号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。


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